2014年11月16日

★誰がどうする汚染水、制御不能の福島原発!(2013/10/09)旧ブログ閉鎖で保存移転

★誰がどうする汚染水、制御不能の福島原発!(2013/10/09)旧ブログ閉鎖で保存移転
首都圏は平和か.gif★2020年東京オリンピック招致の為に、安倍晋三首相が世界に向けて福島原発は完全にコントロールされている。汚染水は原発港湾内の0.3平方kmの範囲内でブロックされ外洋には影響しない。東京は福島から250km離れていて安全だ。現在も今後も政府の責任で安全を保証すると大見得を切った。
★しかし現実は余りにも杜撰な汚染水管理で度重なる流出事故が頻発し、東京電力には最早、当事者能力が疑われている。事態の悪化を受けて政府は汚染水対策への予算措置を決め、国が前面に出て対応すると宣言したが、その内容は場当たり的で大手ゼネコンが提示した実効性の疑わしい凍土遮水壁構築に320億円もの予算を投入する。
★現在、東電が試験運用中の多核種除去装置アルプスの改良型高機能装置の開発に160億円を投じるなど、福島原発の緊急事態に対処するには余りにも悠長で危機感に欠け、徒に巨額の予算を原発関連企業への無制限な供与に終始しているのでは無いか?現在の自民党安倍政権には国民の安全安心を委ねるに値する当事者能力が無いと言わざるを得ない。
緊急対策.gif★福島原発敷地内には既に35万トン以上の汚染水を貯蔵するタンク群が有るが、事故直後に慌てて設置された仮設の組み立て式タンクは耐用年数5年を待たずに汚染水漏洩が起きている。溶接式タンクへの汚染水移送は原子炉建屋地下への地下水流入で増え続ける汚染水(日量400t)に対応するタンク増設が追い付かず、実行不可能である。
★阿武隈山系から福島原発敷地内を通過して海へ流れる地下水は原子炉建屋地下に流入する400tとは別に400tと言われる。こちらも汚染水タンクから漏洩する汚染水と混じって汚染されるのは必然である。従って汚染水問題の緊急の課題は原発敷地内を通過する日量800tの地下水を原発敷地の外側でブロックする事である。
阿武隈山系の汚染.gif★その為に最も有効な手段は土木工事で普遍的な鋼矢板打ち込み工法である。原発敷地外の比較的被曝線量の低い場所で、技術的には確立された在来工法であり、短時間で大規模な地下水ブロックを可能とする。費用に於いても凍土遮水壁とは比較にならない予算で、地元の労働力と企業が施工可能な即効性の有る汚染水対策である。
★汚染水問題のもう一つの緊急課題は原子炉建屋地下からトレンチを通って海に流出する高濃度汚染水である。この問題への対処法は極めて単純である。要は原子炉建屋地下の汚染水の水位を下げる事である。即ち現在、原子炉建屋地下から汲み上げてタンクに移送している日量400tは地下水の流入量と同じである。
阿武隈山系地下水.gif★流入する地下水がブロックされれば原子炉建屋地下の汚染水の水位は日量400t分が下がって海への流出は相当程度まで防止出来る。地下水ブロックが出来るまでは汲み上げ量を増やして原子炉建屋地下の汚染水の水位を一定程度は下げられる筈だ。それでも建屋の地下構造自体が脆弱化して一部漏洩は避けられないが現状よりは遥かに改善可能だ。
★最も危惧される事は巨額の予算を投じて構築する予定の凍土遮水壁が完成後の遮水効果に疑問が有る事と、遮水効果が有効に機能した場合に遮水壁内部の水位が上がって地盤が軟弱化し、地震と津波で脆弱化している原子炉建屋が倒壊、崩落する危険性を無視出来ない事である。
地下水と汚染水断面.gif★同時に遮水壁でブロックされる地下水の水位も上がって遮水壁周辺の地盤も軟弱化する。そうなれば肝心の事故収束作業に携わる車両、重機の移動にも支障を来し、事故収束作業全般に大きな障害となる事は明白である。その様な状況下で再び大きな地震が来れば重大な問題を惹起する。
★何れにしても現在の自民党安倍政権が福島原発事故収束に本気で取り組んでいるとは到底、信じ難い。原子力発電を国策として推進して来た自民党は原子力村利権の中心的存在で有り、財界、電力業界、原子力関連企業と深く結び付いた政治家達を擁するのが自民党の本質である。
★人類史上、最悪の福島原発事故で故郷を破壊され汚染された福島県民の悲しみと苦難の日々を理性的に考えればドイツの様に原子力発電から撤退を決断して、国民の安全安心の為に挙国一致で未来の為に新しいエネルギー政策への転換に希望を託すべきであるが、自民党政権は福島原発の事故収束も目処が立たない状況下で、原発の再稼働、原発の輸出に血眼になっている。
遮水壁の危険性.gif★経団連を筆頭とする財界も電力業界、関連企業と共に原発の再稼働を迫り、メガバンクを先頭に金融業界は東電への融資継続の条件として原発再稼働を迫っている。此処には国民の安全安心は全く考慮されない。利権維持の為には国民など眼中に無いのだ。それ故に国民の大多数が脱原発を願う中でも強引に再稼働、輸出で経済成長と唱えるのだ。
★自民党安倍政権は福島原発汚染水問題に政府が前面に出て対処するとか、政府の責任で東京オリンピックの安全を保証するとか、言いながら一方では当事者責任は東電に有り、事故処理、損害賠償費用は一義的に東電が負担すべきで、政府予算からの支出は東電への貸し付け、一時的な肩代わりで後日の返還を求めると言う。
★汚染水問題での緊急対策も東電が技術的に対応困難な部分を政府予算で措置すると言う。しかし既に東電は事故処理、損害賠償費用で事実上の債務超過、破綻状態であり、自己資金での費用調達に無理なコストカットを強行すれば安全管理が疎かになって、更なる危険な局面へのリスクが高まる。
★政府が東電に全ての責任を押し付けて無理難題を強要している現状では、国民の安全安心は更に脅かされ、壊滅的な破局に向かって事態は悪化し続けていると言わざるを得ない。国民の安全安心を守るのは一義的に政府の責任であり、東電を企業として存続させる事で事態の悪化を放置しては政府として無責任の極みである。
★国民と地域社会を危険に晒し国家の安全を脅かす重大事故を引き起こした東電は直ちに事業者としての責任、経営責任、株主責任、資金提供者としての銀行も含めて、破綻処理した上で、新たな電力事業者「新東京電力」として再生し、原発から切り離した安全安心な電力供給を担うべきである。
★原発事業は最早、資産では無く不良債権である。銀行グループも東電への融資継続に原発の再稼働を条件としている限り、損害賠償費用だけでなく、最終処分の道筋も見えない使用済み核燃料と核廃棄物処分費用負担が際限なく拡大して、不良債権を肥大化させ、例え今後に原発の過酷事故が起きなくても何れは経済への悪影響を招くのだ。
★原発と共に栄え、原発と共に滅ぶのか?原発と決別して未来へ向かって再生するのか?単なるエネルギー問題では無い国家の安全保障も含めた、国民の安全安心と再生可能エネルギー開発に拠る産業構造の変革、地産地消で地域雇用の拡大、自然環境と共生する事で得られる心豊かな社会の実現へと、産業界も銀行事業者も決断すべき時だ。
★自民党政権が国策として進めてきた原発が東電の経営を破綻させる過酷事故を起こした経緯から考えれば、福島原発事故の収束、被害者補償の最終責任は政府が負うべきであり、政府が全面的に必要な措置を直ちに実行する事が急務である。長期的包括的な問題としては使用済み核燃料と核廃棄物処分であるが、福島原発汚染水問題こそ緊急課題である。
★現時点で政府が検討している対応策は、福島原発の差し迫った危機的状況に対して全く無意味である。320億円もの費用を投じて構築する凍土遮水壁なる物は完成までに早くても1年半以上掛かると言う。その間に再び大地震が来れば東日本のみならず首都圏は壊滅的な事態を避けられない。
★問題への対処策は最も基本的なシンプルな考え方が必要で有る。ヤッコ前NRC委員長も指摘している様に、問題への対処策は限られている。先ず流入する地下水を止める事、或いは汚染物質を除去する事。緊急に汚染物質を除去する事は不可能であり、従って現実的に可能な事は流入する地下水を止める事である。
★地下水を汚染物質と接触しない様に止めるには原子炉建屋周辺でブロックしても問題解決にはならない。原発敷地内が広範囲に汚染されている現状から考えれば、阿武隈山系から海に向かって流れる地下水を原発敷地の外側でブロックする事が何よりも必要で有り効率的な対処策である。
★その工法も普遍的に確立した在来工法であり、特殊な技術も不要な鋼矢板を並べて打ち込む事は地元の業者、労働力で対処出来るし、原発敷地内に較べれば被曝線量も少ない環境で、極めて短期間に長大な地下水ブロック構造物が施工可能である。政府が緊急性を認めるならば、直ちに実行すべき対策はこれ以外に無い。
★次に原子炉建屋地下から高濃度汚染水が海に流出する問題の解決には、地下の汚染水を汲み上げる量を増やせば水位が下がって相当程度まで有効な筈だ。流入する地下水が現状では日量400tとされており、地下水ブロックが出来れば汲み上げ量が現状通りでも建屋地下の汚染水水位は下げられる。
★次に中期的な問題として原発敷地内に貯留されている汚染水、現時点で約35万トン以上を可及的速やかに減量しなければ、再び大地震が来れば大変な事態を招く。現在、東電が試運転中の多核種除去システム「アルプス」の処理能力は日量750tと言う。このシステムの稼働率を90%に維持しても675t、稼働率80%では600tである。単純に計算すれば519日/583日が必要で有る。
★しかし現状は原子炉建屋地下に日量400tの地下水が流入してタンクに貯留する汚染水は増え続けている。地下水ブロックが政府の言う凍土遮水壁を構築出来るまでに一年半以上も掛かれば「アルプス」の稼働率90%が維持出来ても汚染水の総量から減量出来るのは日量275tであり、汚染水処理が完了するまでには途方もない時間が掛かる。
★東電の廣瀬社長は政府から汚染水処理を急かされて苦し紛れに2014会計年度中に35万トン以上の全量を処理完了すると大見得を切ったが、どの様な根拠で、そんな大言壮語が出来るのか?一事が万事で実質的に破綻している東電には福島原発の差し迫った危機的状況に対応出来る当事者能力は全く期待出来ない。
★現実的には汚染水を貯留している組み立て式の仮設タンクから溶接式のタンクへの汚染水移送も、増え続ける汚染水を受け容れる為のタンク増設が間に合わず、耐用年数5年とされる仮設タンクが次々に汚染水漏れを起こして収拾不能な状況に追い込まれている。脆弱な仮設タンクが何時まで耐えられるのか全く先行きの見えない危機的状況だ。
凍土遮水壁計画図.gif★今は一日も早く、福島原発事故処理の全てを東電から切り離して政府が総力を挙げて対応するべき時である。安倍総理は国際的な技術援助を求めると発言しているが、その前に国内に於いて、経団連傘下の企業、大学、研究者の英知を結集してオールジャパンで、未曾有の国難に対応する枠組み構築が急務である。
★今や経団連を始めとする経済界も銀行も利権維持の為の原発再稼働などと悠長な事を言っている場合では無い。現状は正に国家存亡の危機であり未曾有の国難である事を認識しなければならないのだ。技術大国、日本の総力を挙げて福島原発災害を完全に収束させる迄、安全性を担保出来ない原発再稼働など常識的に有り得ない筈だ。
★福島は未だに戦場なのに東京は平和なのか!(2013/02/27)
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★09年は琉球が薩摩に侵略され奄美五島を失い苦難の歴史が始まった1609年から400年、日本国に強制併合された琉球処分から130年目の節目の年でした。
琉球人の視点からは沖縄県民が昔の大琉球の誇りを取り戻す為には未だ暫くの時間が必要です。
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★私のメインテーマ琉球王国の歴史検証作業を再開しました。
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★自爆核施設を野放し!自衛隊は国を守れるか?(2011/11/29)旧ブログ閉鎖で保存移転

★自爆核施設を野放し!自衛隊は国を守れるか?(2011/11/29)旧ブログ閉鎖で保存移転
★福島原発災害で露見したハイテク自衛隊の弱点!
33年前(1978年)私が新聞に投稿した自衛隊は国を守れるか?国防論は現実的か?で指摘した命題は現時点に於いても、些かも解決されない矛盾、不条理として継続している。
自衛隊は国を守れるか1.gif★放射線防御能力を持たずに核攻撃、核テロに対処不能な重装備の不条理。東日本大震災では原発核関連施設が危機的状況に陥り、未曾有の国難とも言える非常事態となったが自衛隊が放射線防御装備を持たず、緊急事態に対応不能な事が明白となった。
★原発核関連施設がテロ攻撃の標的となる危険性を考えれば非常事態に国家と国民の安全を守るべき自衛隊が放射線防御装備を持たず、原発事故対応は本務では無いと危険な任務を消防に押し付けて隊員機材の投入にも及び腰に終始した。
自衛隊は国を守れるか2.gif★平時に於いては民間施設と見なして警備体制も不十分な原発、核関連施設のテロ攻撃に対する脆弱性と自衛隊の放射能汚染対応能力の欠如が露呈した事で、日本全国の原発、核関連施設は正に自爆用原爆1000発以上を無防備にテロ攻撃の標的として世界に知られる事になったと言える。
★福島原発災害では広島型原爆の20〜30倍の放射能汚染物質が放出されたと言う。出力100万KWの原子炉には原爆10発に相当する核物質が有ると言う。使用済み核燃料も含めて考えれば全国の54基の原発には原爆800発以上、六ヶ所村には3000トンの使用済み核燃料が貯蔵され原爆300発に相当する。従って現時点で少なくとも1000発以上の原爆を無防備に貯蔵しているに等しい驚愕すべき実態である。
国防論は現実的か1.gif★自衛隊は先般、離島地域への侵略を想定した防衛出動訓練と称して北海道から九州まで戦車部隊の大規模輸送を実施し、地対空ミサイルを含む激しい機動訓練を公開した。
彼等の想定する敵部隊の侵攻目的、攻撃目標、作戦戦術、部隊編成には、この国で最も防御が脆弱で国民を危険に晒し政府の統治能力を喪失させる原発、核関連施設へのテロ攻撃は想定外である。
★今時の戦争で通常兵器では世界第四位の戦力を有する自衛隊の存在する日本へ侵攻を謀る場合には、真っ先に想定されるのが核ミサイル攻撃であり、小規模編成のゲリラによる撹乱戦術である。国防論は現実的か2.gif日本国を混乱に陥れ国民に不安を煽る上で最大の成果が見込めるのが核テロ攻撃であろう。
★ハイテク装備の自衛隊は敵の地上部隊が混乱に乗じて大規模編成で上陸して来る迄、国民が放射能汚染で逃げ惑い、政府が統治能力を喪失する中で放射線被曝を避けながら待ち続けるのであろうか? 自衛隊の本務とは国民の命と安全を守り、政治経済の混乱を防ぎ、国家の統治能力喪失を阻止する事である。
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★自衛隊ミサイル迎撃の理論と現実(2008/10/28)旧ブログ閉鎖で保存移転

★自衛隊ミサイル迎撃の理論と現実(2008/10/28)旧ブログ閉鎖で保存移転
◆PAC3迎撃実験の考察◆自衛隊ミサイル迎撃の理論と現実◆
前回のエントリーでは色々と忙しい上に「JSF」氏より厳しい御指摘を受けた命題の軍事技術の常識、数式での証明等の問題で悪戦苦闘して更新が余りにも遅れていた関係で自衛隊ミサイル迎撃に付いて画像をメインに検証しました。
今回は少し時間的に余裕が出来ましたので同じ画像ですが改めてミサイル迎撃問題を考察したいと思います。
★先ず最初の画像は自衛隊のPAC3が迎撃対象として想定している敵ミサイルの性能データです。数式の苦手な私がネットを通じて御教示頂きました物理公式計算サイトです。
ミサイル迎撃3.gifミサイル迎撃4.gif◆迎撃対象の射程1.300kmのミサイルの軌道要素として発射角度と速度、飛行高度と到達時間です。専門家では無い私の解析ですからが多少の誤差は有ると思いますが大体の感じです。以下も専門知識が無くても理解出来る説明に留意しています。
◆次の画像は9月17日の迎撃実験で模擬標的として使用されたミサイルの軌道要素と迎撃対象として想定される敵ミサイルとの性能比較です。射程120kmで発射から2分後にPAC3の迎撃プログラムが作動して1発目が自動的に発射された事から逆算して解析しています。「JSF」氏の指摘で一番苦労した事は空気抵抗に因る急激な減速がミサイルの軌道に影響する部分です。
ミサイル迎撃3.gifミサイル迎撃4.gif◆次の画像は大気密度と高度の関係です。大気密度は高度8kmで半減し高度15kmでは0.2以下になります。高度30km以上になると極めて希薄です。従って敵ミサイルが空気抵抗に因る急激な減速に至るのは高度35km以下で当然ながら軌道も大きく変化するのは高度35km以下に達してからになります。
上で見た様にPAC3は秒速4kmの敵ミサイルが高度50kmに達した時点で照準を定めて発射される必要が有り空気抵抗に因る急減速で軌道要素が変化するのは迎撃プログラムが作動してPAC3が自動発射された後、標的が高度35km付近より地上に接近してからになります。
◆次の画像では敵ミサイルが進入角60度、秒速4kmで高度50kmから着弾に至るまでの軌道変化を見ています。
空気抵抗に因る急減速で速度が秒速2kmになると想定した場合は着弾地点では約8kmの誤差が生じる事になります。
PAC3が迎撃可能な高度15km付近での軌道変化は約3kmですがPAC3の最大射程20kmから考えると命中精度にはかなり厳しい影響を受けます。
ミサイル迎撃5.gif◆次の画像は上で青線で囲んだ枠内の部分を横軸を拡大して表示しています。この様に標的の軌道が激しく変化しながら落下して来る状況ではPAC3の速度が標的の速度より段違いに速く無ければ迎撃は極めて困難だと言わざるを得ません。
◆米軍が本国以外で最初にPAC3を配備した沖縄の嘉手納基地ではPAC3のランチャー6基で24発を迎撃に備えています。これは敵ミサイルが次々と飛んで来る全面戦争を想定している訳では有りません。その様な状況下では世界最強を誇る米軍は当然ながら敵国への先制攻撃で敵ミサイル基地を壊滅させる筈です。
ミサイル迎撃6.gifミサイル迎撃7.gifミサイル迎撃8.gif嘉手納基地に配備されたPAC3の迎撃対象は何らかのアクシデント(敵国軍の暴走、或いは事故)で偶発的に飛来する限定されたミサイルへの対処策です。
命中精度を考える上で24発のPAC3が何故必要なのか答えは自明でしょう。
★さて今回の迎撃実験は射程120kmの模擬標的発射から2分後にPAC3が発射され30秒後に命中したと発表された。前々回のエントリーでは単純に発表された数字でPAC3の速度が余りにも遅いのではと疑問に思い乍らも特に考えずに記事を書いた。
自衛隊側の発表したPAC3の発射後30秒で命中の数字を「JSF」氏は敵を欺く為の偽情報ではとコメントされているが私にはとても納得出来ない疑問でした。
◆そこで今回は30秒の謎解きに挑みました。PAC3が2発、発射された事実も含めて考察した結果として導き出された結論は以下の通りです。
上で見た様にPAC3の迎撃プログラムでは標的が高度50kmの位置で標的の速度を秒速4kmと想定して自動発射されるシステムになっている筈です。しかし今回の模擬標的の速度は秒速1.17kmと遅いので迎撃プログラムで自動発射された1発目のPAC3が迎撃高度の15kmに達しても標的の高度は40km付近になっています。
従って1発目は目標に届かず自爆します。
★次に模擬標的の軌道要素を正確に解析した迎撃プログラムが作動して1発目の発射から22秒後に2発目のPAC3が発射されて8秒後に目標を撃墜した事で命中したのは30秒後とする発表との整合性が成り立ちます。計算の苦手な私が苦心して導き出した推論ですが如何でしょうか?
ミサイル迎撃9.gif◆さて、ここからが私としては本題と考える部分です。PAC3を含むミサイル防衛計画が軍事的に有効だとしても国民が安心出来ない現実が残ります。
それは高度15kmで撃墜された敵ミサイルとPAC3の残骸が地上に降り注ぐ際に発生する二次被害が全く無視されている事です。大気密度が0.2以下で広範囲に拡散した破片は金属の場合は時速200km以上で地上に落下して来ます。先の実験で目標に届かなかったミサイルも地上に落下すれば危険なので自爆しますが結果的には二次被害を避けられないのが現実です。
画像は自衛隊那覇基地から発射されたPAC3が迎撃に成功した場合に予想される二次被害のイメージです。危険な区域に那覇市の中心部が殆ど含まれます。
ミサイル迎撃10.gif★先日の那覇空港で発生した自衛隊機のタイヤがパンクした事故では滑走路が1時間余り閉鎖されて100機近くの民間機の運航に支障が出ました。従って敵ミサイルの迎撃に成功したとしても空軍基地の機能は停止され戦闘能力は無力化されます。
更に言えば敵ミサイルが核弾頭を装備していた場合には高度15kmで核爆発が起これば地上で爆発するよりも遙かに被害が拡大する事です。
常識的な事ですが戦争が起これば軍事的には成功しても必ずしも国民が喜べる結果とはならない事をアフガニスタン、イラクの現状が証明しています。
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