2014年11月16日

★自衛隊ミサイル迎撃の理論と現実(2008/10/28)旧ブログ閉鎖で保存移転

★自衛隊ミサイル迎撃の理論と現実(2008/10/28)旧ブログ閉鎖で保存移転
◆PAC3迎撃実験の考察◆自衛隊ミサイル迎撃の理論と現実◆
前回のエントリーでは色々と忙しい上に「JSF」氏より厳しい御指摘を受けた命題の軍事技術の常識、数式での証明等の問題で悪戦苦闘して更新が余りにも遅れていた関係で自衛隊ミサイル迎撃に付いて画像をメインに検証しました。
今回は少し時間的に余裕が出来ましたので同じ画像ですが改めてミサイル迎撃問題を考察したいと思います。
★先ず最初の画像は自衛隊のPAC3が迎撃対象として想定している敵ミサイルの性能データです。数式の苦手な私がネットを通じて御教示頂きました物理公式計算サイトです。
ミサイル迎撃3.gifミサイル迎撃4.gif◆迎撃対象の射程1.300kmのミサイルの軌道要素として発射角度と速度、飛行高度と到達時間です。専門家では無い私の解析ですからが多少の誤差は有ると思いますが大体の感じです。以下も専門知識が無くても理解出来る説明に留意しています。
◆次の画像は9月17日の迎撃実験で模擬標的として使用されたミサイルの軌道要素と迎撃対象として想定される敵ミサイルとの性能比較です。射程120kmで発射から2分後にPAC3の迎撃プログラムが作動して1発目が自動的に発射された事から逆算して解析しています。「JSF」氏の指摘で一番苦労した事は空気抵抗に因る急激な減速がミサイルの軌道に影響する部分です。
ミサイル迎撃3.gifミサイル迎撃4.gif◆次の画像は大気密度と高度の関係です。大気密度は高度8kmで半減し高度15kmでは0.2以下になります。高度30km以上になると極めて希薄です。従って敵ミサイルが空気抵抗に因る急激な減速に至るのは高度35km以下で当然ながら軌道も大きく変化するのは高度35km以下に達してからになります。
上で見た様にPAC3は秒速4kmの敵ミサイルが高度50kmに達した時点で照準を定めて発射される必要が有り空気抵抗に因る急減速で軌道要素が変化するのは迎撃プログラムが作動してPAC3が自動発射された後、標的が高度35km付近より地上に接近してからになります。
◆次の画像では敵ミサイルが進入角60度、秒速4kmで高度50kmから着弾に至るまでの軌道変化を見ています。
空気抵抗に因る急減速で速度が秒速2kmになると想定した場合は着弾地点では約8kmの誤差が生じる事になります。
PAC3が迎撃可能な高度15km付近での軌道変化は約3kmですがPAC3の最大射程20kmから考えると命中精度にはかなり厳しい影響を受けます。
ミサイル迎撃5.gif◆次の画像は上で青線で囲んだ枠内の部分を横軸を拡大して表示しています。この様に標的の軌道が激しく変化しながら落下して来る状況ではPAC3の速度が標的の速度より段違いに速く無ければ迎撃は極めて困難だと言わざるを得ません。
◆米軍が本国以外で最初にPAC3を配備した沖縄の嘉手納基地ではPAC3のランチャー6基で24発を迎撃に備えています。これは敵ミサイルが次々と飛んで来る全面戦争を想定している訳では有りません。その様な状況下では世界最強を誇る米軍は当然ながら敵国への先制攻撃で敵ミサイル基地を壊滅させる筈です。
ミサイル迎撃6.gifミサイル迎撃7.gifミサイル迎撃8.gif嘉手納基地に配備されたPAC3の迎撃対象は何らかのアクシデント(敵国軍の暴走、或いは事故)で偶発的に飛来する限定されたミサイルへの対処策です。
命中精度を考える上で24発のPAC3が何故必要なのか答えは自明でしょう。
★さて今回の迎撃実験は射程120kmの模擬標的発射から2分後にPAC3が発射され30秒後に命中したと発表された。前々回のエントリーでは単純に発表された数字でPAC3の速度が余りにも遅いのではと疑問に思い乍らも特に考えずに記事を書いた。
自衛隊側の発表したPAC3の発射後30秒で命中の数字を「JSF」氏は敵を欺く為の偽情報ではとコメントされているが私にはとても納得出来ない疑問でした。
◆そこで今回は30秒の謎解きに挑みました。PAC3が2発、発射された事実も含めて考察した結果として導き出された結論は以下の通りです。
上で見た様にPAC3の迎撃プログラムでは標的が高度50kmの位置で標的の速度を秒速4kmと想定して自動発射されるシステムになっている筈です。しかし今回の模擬標的の速度は秒速1.17kmと遅いので迎撃プログラムで自動発射された1発目のPAC3が迎撃高度の15kmに達しても標的の高度は40km付近になっています。
従って1発目は目標に届かず自爆します。
★次に模擬標的の軌道要素を正確に解析した迎撃プログラムが作動して1発目の発射から22秒後に2発目のPAC3が発射されて8秒後に目標を撃墜した事で命中したのは30秒後とする発表との整合性が成り立ちます。計算の苦手な私が苦心して導き出した推論ですが如何でしょうか?
ミサイル迎撃9.gif◆さて、ここからが私としては本題と考える部分です。PAC3を含むミサイル防衛計画が軍事的に有効だとしても国民が安心出来ない現実が残ります。
それは高度15kmで撃墜された敵ミサイルとPAC3の残骸が地上に降り注ぐ際に発生する二次被害が全く無視されている事です。大気密度が0.2以下で広範囲に拡散した破片は金属の場合は時速200km以上で地上に落下して来ます。先の実験で目標に届かなかったミサイルも地上に落下すれば危険なので自爆しますが結果的には二次被害を避けられないのが現実です。
画像は自衛隊那覇基地から発射されたPAC3が迎撃に成功した場合に予想される二次被害のイメージです。危険な区域に那覇市の中心部が殆ど含まれます。
ミサイル迎撃10.gif★先日の那覇空港で発生した自衛隊機のタイヤがパンクした事故では滑走路が1時間余り閉鎖されて100機近くの民間機の運航に支障が出ました。従って敵ミサイルの迎撃に成功したとしても空軍基地の機能は停止され戦闘能力は無力化されます。
更に言えば敵ミサイルが核弾頭を装備していた場合には高度15kmで核爆発が起これば地上で爆発するよりも遙かに被害が拡大する事です。
常識的な事ですが戦争が起これば軍事的には成功しても必ずしも国民が喜べる結果とはならない事をアフガニスタン、イラクの現状が証明しています。
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琉球人の視点からは沖縄県民が昔の大琉球の誇りを取り戻す為には未だ暫くの時間が必要です。
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★私のメインテーマ琉球王国の歴史検証作業を再開しました。
◆尚王家の出自を巡る考察/其の壱
◆尚王家の出自を巡る考察/其の弐
☆この後は次回に続きます。
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posted by Ryukyuan.isao-pw at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミサイル迎撃 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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